ホースセラピーについて
ホースセラピーとは、正確には「ホース・アシステッド・セラピー」(HAT)といい、外国では一般的に知られている馬を媒体にした治療方法です。
HATは、馬による癒し効果を利用したもので、「医療・教育・スポーツ」の3つの要素を持ち合わせている事から、現在各方面から動向が注目されています。
HATは、特別なことをしなくても、スキンシップや世話をすることでその効果が期待できる、誰でも気軽に受けることが出来る内容です。
グリーンバレーでは設立以来、不登校や引きこもりでお悩みの方々を対象にセラピープログラムを提供しいます。
その様子がNHK番組等で取り上げられ、多くの反響を呼んでいます。
セラピーホーストレーニングにおける4つのキーワード
「調」 「伝」 「褒」 「感」
セラピーホースの調教の基本となるのは「調」「伝」「褒」「感」の4つのキーワードです。
調(ちょう)
調(ちょう)とは調べるという意味です。
調べるとは馬を「観察」「推察」「洞察」「査察」することを指します。
伝(でん)
伝(でん)とは伝えるという意味です。
調べたことを「教える」のではなく「伝える」ことを意味します。
褒(ほ)
褒(ほ)とは褒めるという意味です。
「伝える」には「褒める」ことが大切です。
感(かん)
感(かん)とは感謝するという意味です。
「調べ」「伝え」「褒める」には「感謝」することが大切です。
セラピーホーストレーニング
人に従順で決して危害を与えることのない「安心・安全」な馬をグリーンバレーではセラピーホースと呼んでいます。
「安心・安全」な馬、セラピーホースとは?
車に例えると?
<危険な車>
- ブレーキが効かない
- ハンドルが効かない
- 勝手にスピードが上がる
<安全な車>
- スムーズにブレーキが効く
- スムーズにハンドルが利く
- アクセルを踏んでからスピードが上がる
馬にも車と同じことが言えます。
「安心・安全」な馬、セラピーホースとは?
- スムーズにブレーキが効く
- スムーズにハンドル(手綱)が利く
- 決して勝手にスピードを上げない
- 物音などに動じない馬
→ 馬は車と違い自分の意志、生き物としての本能を持っている!
馬の本能とは?
馬は草食動物のため、自然界では狙われる立場にあります。
そのため、馬は外敵から身を守るために「逃げる」「群れる」という2つの本能が備わっています。
逃げるために物音などに対してとても敏感ですが、群れの中ではとても落ち着いていてリラックスしています。その群れの中には、群れを統率するリーダー(ボス)が存在し、馬たちはリーダーを求め、群れの中(=安全な場所)にいたいと思う本能が働きます。
セラピーホースになるためには?
馬はリーダー(ボス)の存在が不可欠で、リーダー(ボス)のそばにいる馬の行動はとても落ち着いています。セラピーホーストレーニングで大切なことは、馬にとってのリーダー(=安心できる存在)が人間であればよいのです。
馬にとってのリーダー(ボス)とは?
あなただったらどんなリーダーについていきたいですか?
例えば、頼りになる人、優しい人など様々ですが、馬が人をリーダーとして認めるためには、“一貫性のある行動”が重要になります。その一貫性のある行動として行うのが「プレッシャー(緊張)&リリース(緩和)」という方法です。
セラピーホースのための判定基準とは?
では、具体的にどのような基準項目を満たした馬がセラピーホースとなるのでしょうか?
セラピーホース判定基準例
- 馬の方から人へ興味を持って寄ってくる
- 馬のどこを触っても蹴らない、噛まない
- ホルターを素直に受け入れる
- リーディングに素直についてくる
- ビニール袋や鞭などの音や動きに動じない
- 鞍やハミを素直に受け入れる
- 騎乗の際に静止できる
- 騎乗者の指示にあわてず素直に従う
まとめ
これらのことをもとに馬の本質を理解することで、馬と人は健全な関係を築くことができます。
馬と人が健全な関係を築くことで「安心・安全」な馬、つまりセラピーホースが自然と出来上がるのです。セラピーホースの基準を満たした馬であれば、それがたとえ競走馬や乗用馬、ブリティッシュ、ウエスタンどちらであっても、よりハイクオリティーなことを馬は行うことができるはずです。
グリーンバレーはどの馬産業のカテゴリーにも関係なく、全ての馬が「安心・安全」な馬、セラピーホースであるべきだと考えています。